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料理と文化 la cucina e la culturale

先日ヴェネトの行ったとき、シェフといろいろ話したかったのですが、
語彙力が乏しいのと飲みすぎて頭が回らなかったこともあり、
「話したかったことを後日メールにして送ります」と伝えました。
で、それの下書きも兼ねつつ、最近の授業も踏まえながら回想なんぞしてみようかと思います。

書くまでもありませんが・・・あくまでも個人的な意見であることをご了承ください。


彼らの誇りである、ある料理の一皿(例えばパスタ)を日本で作るとしたらどうなるのか。
その土地で取れたものを、その土地の伝統的な料理法で消費するのが彼らの哲学。
そう考えると。
日本で手に入る食材で作れるものもありますが、それは正しいイタリア(郷土)料理じゃない。
かといって、食材を全て輸入すれば良いのか、というのも何か違う。

もし1年後に日本に戻ったとしたら、「日本人解釈の」イタリア料理はきっと作らないだろう、と思っていました。
彼らの哲学を少なからず学んだ身として、それを踏みにじるような行為はしたくないし。
しかしそうすると、イタリア料理を作れる場所は、ここイタリアでしか在り得なくなる。
・・・ふうむ、何だかややこしいことになってきました。

今日の授業はカンパニア州でした。そう、ピザ・ナポリなどで有名な州です。
そのシェフの話として。
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イタリアの、特にカンパニア州の料理を語るときに無くてはならない食材はトマト。
しかし、トマトは18世紀後半になってから広く知れ渡るようになった。
でも今ではしっかり食文化として根付いている。

和食と言えば、寿司・てんぷらがあげられる。
でも、てんぷらはそもそもポルトガルから伝わったもの。日本独自の食文化じゃない。
だけれど、今は「日本の代表的な食べ物」だし、食文化のひとつになっている。

そこで私は問うてみました。
寿司は日本独自の食文化だけれど、いつかは「てんぷら」のように、独自の寿司文化を作り出すところが出てくるかも知れないですね。

するとシェフは、
分からない。でも、あり得るだろうね。
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イタリア郷土料理を習得すべく留学したわけですが、
もしかしたら、学ぶべきは哲学なのではないか、と最近思うようになっています。

伝統・文化は継承し、また昇華していくべきもの。
彼らの哲学がいっぱい詰まった料理を知り、それを自国でどう表現するのか。
また、改めて自国の現状、食に対する誇りを見つめなおすべきではないのか。

こちらのブログ(イタリア料理スローフード生活)を読んでみて。
もしかしたら、物事を難しく考えすぎなのかも・・・と思いました。
見つめなおすべきはもっと身近なところで、そしてもっと単純なことなのかも知れません。
by frutta_di_mare | 2008-07-01 09:58 | イタリア学習
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